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「脳」整理法 掲示板

ちくま新書 茂木健一郎 「脳」整理法 

筑摩書房 2005年9月5日発売

1刷 1万5千部(9月5日)

2刷 2万5千部 (9月8日)

3刷 4万部 (9月14日)

4刷 5万5千部(9月21日)

5刷 6万部(10月18日)

 

<表帯>

「世界一受けたい授業」(日テレ系土曜19:57~)

の人気脳科学者が教える

もっと賢明に、清々しく生きるヒント。

<裏帯>

[脳のはたらきの本質から考える]

●環境の変化にしなやかに対応するには?

●想像的なひらめきの力を育むためには?

●偶然の幸運を逃がさない心構えとは?

●他人ともっと上手につき合うためには?

●思い込みにとらわれず自由に考えるには?

●チャレンジする勇気を身につけるには?

<そで>

おびただしい量の情報やモノに囲まれ、脳が悲鳴をあげている。現代人が、より賢明に

清々しく生きるためには、脳をどのように使いこなせばよいだろうか? その鍵は、

森羅万象とのかかわりのなかで直面する不確実な体験を整理し、新しい知恵を生み出す

脳の働きにある。本書では、最新の科学的知見をベースに、「ひらめきを鍛える」

「幸福をつかむ」「他人とうまくつき合う」「チャレンジする勇気をもつ」など切実な

課題にも役立つ、脳の本質に即した「生きるヒント」をキッパリ教えます。

<目次>

まえがき 007

第1章 脳は体験を整理し、知を創造する 017

整理術こそ現代の「読み書きそろばん」/「脳」は整理する臓器/脳の潜在能力が問われる/

「世界の成り立ち」と「人生の意味」ー世界知と生活知/一人ひとりの生き方に法則はないー

統計的真理と生活知/統計的真理は「運命」ではない/「脳」ブームを解剖する/一生に

一度しか起らない出来事の大切さ/脳をどう使いこなすか

第2章 生きて死ぬ人間の知恵 037

「私」の時間は後戻りできない/「今」という特別な瞬間ー人間の時間と神の時間/

誕生とともに始まり、死とともに終わる/かけがえのない「私」/自由意志という

幻想?/死んでもおしまいではない/「割り切ること」に徹する現代社会/

「割り切れない」思いをどうすくい上げるか

第3章 不確実な時代こそ脳が生きる 057

変化が加速する時代/「確実さ」と「ランダムさ」を科学は扱う/偶然と必然の

間に横たわる「偶有性」/「脳にとって偶有性はいちばんの栄養/偶有性の整理法/

規則性は喜びの感情を引き起こす/脳はランダムな出来事に無関心/偶有性にどんな感情を

示すかが「人生の方程式」/不確実さを楽しむための知恵/人間はつねに変化を続ける/

脳はしなやかに変化に適応できる

第4章 偶有性が脳を鍛える 081

人間はいかに創造するのか?/コンピュータを超える人間の創造性/当たらなくても占いは

必要?/占いを必要とする脳の性質/恋愛を科学する?/偶有性の海に飛び込むこと/

脳は偶有性にもとづき身体の範囲を知覚する/コントロール可能なことと不可能なことの

区別を誤る悲劇/偶有と必然の「あわい」を脳で読み取る

第5章 偶然の幸運をつかむ脳の使い方 105

偶然を必然にかえることができるか/セレンディピティー偶然の幸運に出会う能力/

「行動」「気づき」「受容」がセレンディピティを高める/偶然を幸運に結びつけられるかは

脳の使い方しだい/学習の機会は日常に満ちている/大発見を支えるセレンディピティ/

恋人に出会う能力と科学的発見の能力は同じ/「脳」整理法がもたらす「アハ!」体験

第6章 「自分」を離れて世界を見つめる 127

「脳ブーム」は自己愛的?/「科学」の恵み/「自分」を離れて世界を眺める/

二つの思考ツール/ディタッチメントを生活の中に処方しよう

第7章 「他人」との関係から脳が育むもの 143

「神の視点」を仮想する脳/他者の視線は「脳内報酬」/人はどのように「神の視点」を

手に入れたか/「私」と「他者」の関係が公共性の起原にある/公共性が絶対視される

プロセス/この世に絶対的なものなどない/偶有性を担保するという知恵

第8章 主語を入れ替えて考える 161

「脳」整理法の副作用/言葉は不変の存在ではない/自分を棚に上げていないか/

整理の科学/ハイブリッドの思考/安定性とダイナミックスを両立する思考法/

数学的言語はなぜ有効なのか/主語を入れ替えて考えてみる/日本語は特殊な言語?/

言い換えで知の固定化を防ぐ/「私」の中の偶有性を外に出す方法

第9章 脳に勇気を植え付ける 187

人は傷つけられうる存在/ネガティヴな感情をいかに乗り越えるか/「不安」や「後悔」

にも意義がある/ネガティヴな感情の背後にある「仮想」/感情のバランス/

「根拠のない自信」の効用/自分の欠点と、どのようにつき合えばよいのか/

成功体験が脳の回路を強くする/コントロール不可能性を認める/

第10章 「脳」整理法ふたたび 207

「整理」の時代/生き延びるための「整理」/「生活知」から分離した「世界知」/

「世界知」を「生活知」に引き寄せる/「偶有的」だからこそ人間は美しい

あとがき 219

章扉イラスト=蓮沼昌宏

「著者近影」(千円札の野口英世モチーフ)=桑原茂一(Club King)プロデュース