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クオリア日記 Frequently Asked Questions

 

クオリア日記について、よくある質問と御回答

Q. いつから書きはじめたのですか?

A. 1999年11月12日からです。現在、2001年1月1日以降の分について、過去ログを公開しています。

Q. なぜ、web上に日記を書こうと思ったのですか?

A.なぜそう思ったのか、よく覚えていません。Qualia Manifestoのサイトを作ったときもそうだったのですが、2ー3秒の間に「あっ、そうしよう」と思って、気がついた時にはweb上に開設するための準備作業を始めていました。

Q. いつ、どれくらいの時間をかけて書いているのですか?

A.基本的に、毎朝起きてすぐに、コーヒーを飲みながら書きます。平均15分から20分くらいかけているのではないかと思います。物理的に文章をタイプして、間違いやスペルミスがないかどうか一度チェックするまで、ほとんどテーマや言い回しについて逡巡することはありません。いわば、無意識から流れ出てくるものをそのまま書き出している感じです。

Q. クオリア日記を、まとめて出版するとか、そういう予定や意図があって書いているのでしょうか?

A.最初はそのように思っていましたが、そのうちに、そのようなことを考えずに単にweb上に掲載され、そこで消費されていくものとしての日記でよいと思うようになりました。商業的にパッケージとして流通する文章は、なんらかのコンテクストが設定され、そのコンテクストに合わせて書かれます。そのような文章には、毎日の心の状態のゆらぎや、あまりにもプライベートすぎる感慨などを入れることが困難です。逆に、本にまとめようとか、そんなことを考えていないからこそ文字に定着できる、心の揺らぎや、志向性のようなものがあると思うのです。

Q.毎日書くのは、大変ではないですか?

A. コーヒーを飲みながらの朝の習慣としてすっかり定着しているので、大変だ、という感じはありません。文章修業として、自分がそのときどきに思ったこと、感じたこと、考えたことの防備録として、友人たちとのコミュニケーションのメディアとして、むしろ、報われることが多いように思います。web日記をつけていると、ひさしぶりにあった友人が日記を読んでくださっている場合、近況の報告をするといった段階を踏まずに、いきなりその先のコミュニケーションに入ることができます。特に、二人ともweb日記をつけている場合は、随分長い間会っていなくても、それほど離れていた、という時間的断絶の感覚を持たなくて済むことが、思わぬ効果かもしれません。

Q.日記の文字の背景に薄く見えている絵は何ですか?

A. Paul Kleeの、Landscape with yellow birdsという絵です。私のもっともすきな絵の一つです。

Paul Klee Landscape with yellow birds

Q.題字の下にある「人生の個別に顕れる宇宙の普遍を求めて」というモットーの意味は何ですか?

A.個人の日記というと、いかにもプライベートな感じがします。その日記を、web上に公開することの意味は何か、ということを折々考えていたのですが、ちょうど4年くらい経った2003年の秋くらいに、そうか、個人の生活の体験という「個別」に顕われる「普遍性」をシェアし合うことがweb日記の役割なんだな、と思うようになりました。「真理」、「美」、「未来」、「過去」、「関係性」、「個物」といったさまざまな普遍的な概念は、決して中空にふわふわ浮いているのではなく、この地球上に住む人間ひとりひとりの体験の個別性を離れては存在し得ない。そのように考えた時に、ひとりひとりの人間のささやかな人生にこそ、人間の精神がアクセスし得る普遍的なもののすべてが生まれる契機が含まれている、と思えるようになったのです。